災害シェルターとは?種類や価格必要な理由を解説
地震、津波、台風と絶え間なく訪れる自然災害に、不安を覚えることはありませんか?
災害を止めることは不可能ですが、災害に備えることは可能です。災害から身を守る手段として災害シェルター(防災シェルター)が注目されています。
その種類は多岐に渡り、中には昨今耳にする機会も多い核シェルターと兼ねられる「防災核シェルター」と呼ばれるものもあります。
この記事では災害シェルターの概要から種類や価格、必要な理由までをしっかりと解説します。
災害シェルターとは?
災害シェルターとは、津波や洪水・地震などの災害発生時に逃げ込み、身を守るために準備された施設のことです。防災シェルターと呼ばれることもあります。
核やミサイルなどから身を守るために発達した各シェルターが、防災目的でも利用されることになり、一般化したと言われています。現在では大規模な公共シェルターだけでなく、小型の家庭用シェルターの需要が増えました。それに伴いラインナップも急速に充実しつつあります。
なおシェルターの語源は、英語の「Shelter」から来ています。日本語にすると「避難場所」を意味します。災害シェルターは、元々「災害から避難するための場所」という意味から来ています。
関連ページ:製品紹介/災害シェルター
災害シェルターが必要な理由
日本で災害シェルターが必要な理由は、主に以下の3つです。地域によっては他の災害に備える目的で設置されることも多くあります。
南海トラフ地震への備え
四国地方の南に位置する海底で水深4,000mの深い溝を南海トラフと呼んでいます。この南海トラフはフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込んでいるため、ひずみによって地震が発生しやすい地帯です。これを南海トラフ地震といいます。
政府の調査結果によると南海トラフ地震は、40年以内に発生する確率が90%と想定されています。発生した場合の被害としては、「広範囲で30都府県が被災し、死者32万3000人、238万棟の建物が全壊や焼失、太平洋湾岸の広範囲で10メートルを超える大津波が襲来」等と予測されています。
富士山噴火
富士山の噴火は都市に火山灰が降り積もります。仮に数週間で噴火が止まっても暫くは火山灰が風で舞い続けます。この間、最短で1カ月ほど首都機能が麻痺すると予測されています。
政府が算出した経済的被害額の総額は2兆5千億円としています。この被害額にはライフラインとなる電車やバス、新幹線、旅客機は含まれていません。従ってこれらを加えると被害総額は200兆円になると言われています。
核ミサイル攻撃
仮に日本に核兵器が投下された場合、例えば300キロトン級の原爆が爆破すると周辺126平方キロメートルの人間は即死すると言われています。この際の被害者数は数十万人と予測されています。
放射性物質は核兵器が爆破してから約2週間で1000分の1になり、人体に影響を与えないレベルに低下します。この期間、人体を守る目的として核シェルターが注目されています。
なお災害シェルターの全てが核に備えられるわけではありません。核に備えるには有害物質などへの対策が必要不可欠であり、そのような対策がなされたシェルターは「核シェルター」と呼ばれています。
関連ページ:製品紹介 核シェルター
災害シェルターの種類
ここでは災害シェルターの主な種類をご紹介します。
津波・洪水シェルター
津波・洪水シェルターは、津波や洪水から避難するためのシェルターです。地震大国と言われる日本は四方を海に囲まれているため、津波や洪水にも弱いという一面があります。記憶に新しい東日本大震災でも津波から逃げ遅れて自宅の屋根から助けを求める人や波に飲まれた人も数多くいました。
メリットは津波や洪水が発生しても命を守ってくれることです。デメリットとしては小型の商品は少なく、屋内に設置できないケースが多いことです。また屋外に設置できたとしても強度保証している商品は僅かで品質が心配です。
耐震シェルター
耐震シェルターは、地震を想定したシェルターです。耐震シェルターは地震大国である日本の得意な領域と言っても良いでしょう。個人向けに売れている商品は屋内に設置するタイプです。
メリットは十分な強度も計算して補強されており、地震で家屋が倒壊してもシェルター内は安全なことです。デメリットは工事が必要となり、その間は部屋が使えないことや津波・洪水の災害には役に立たない可能性があることです。
防災核シェルター/耐核シェルター
耐核シェルターは核兵器から身を守るための一時退避所となります。
メリットは核シェルターを設置することで放射性物質から身を守り、生命の安全を保証します。防音性に優れているので、日常では楽器の演奏やカラオケルームとして代用することも可能です。デメリットとしては建設費が高額なこと、屋内タイプのシェルターを設置した場合、周辺に湿気が溜まりやすいことです。このため、換気を良くする追加工事が必要になります。
災害シェルター内に準備するもの
ここでは災害にあった場合に備えて、災害シェルター内に準備したほうが良いものをご紹介します。
ただしこれだけ用意すれば万全というわけではなく、状況に応じて異なります。下記はあくまで参考とし、「もしこんな災害が起きたら?」を想定して、各自で必要な物をリストアップすることをおすすめします。
食料
身体の機能を維持する源ですので、エネルギーだけでなく、タンパク質やビタミン、食物繊維などを摂取できるものを選びましょう。長期保存できるレトルト食品や缶詰がおすすめです。
水
食料と同程度に重要なものが飲料水です。人間1人が1日に最低限必要な飲料水は3リットルと言われています。ペットボトルやポリ容器に生活保存水を備蓄しておくことも忘れないでください。
簡易トイレ
災害時に生活の質を下げざる終えないケースがあるのがトイレです。人間は1日に平均5〜6回トイレを使用すると言われています。従って回数分の簡易トイレや消臭材、トイレットペーパーなども準備しましょう。
防災用ラジオ
災害に遭った場合、刻々と変化する被害情報を収集することが必要不可欠です。情報が無いと2次被害を受けるケースもありますので、必ず情報機器や電源を準備しましょう。中でも発電機の付いた防災用ラジオは電源が無くとも聞くことができるので重宝します。
災害シェルターの価格
家庭用の災害シェルターは日本でまだ普及が進んでいないため、価格相場が存在しないといえます。ここでは一般的な2種類の価格の目安をご紹介しますが、実際の価格は購入先へ確認することをおすすめします。
耐震シェルター
例えば一戸建て向けの部屋タイプの耐震シェルターの場合、家にいる時に最も長くいる場所を丸ごと補強するという形になります。自宅に暮らしながら耐震シェルターを建築することができるため、仮住まいを用意することなく、費用を抑えることができます。平均工事費用は約150万円程度です。
耐核シェルター
例えば米国製の耐核シェルターで、高さ4.4m、縦3m、横2.4mの4人用サイズ。厚さは12mmの鋼鉄製で内部には放射性物質を除去できる空気ろ過装置や手回し発電機を装備している場合、価格は設置費込みで約1500万円(税抜)です。
まとめ
この記事では災害シェルターの概要から種類や価格、必要な理由までを解説してきました。前述した通り、政府の調査結果によると南海トラフ地震は、40年以内に発生する確率が90%と想定されています。
この数字は現実的に大地震が発生すると考えても良く、皆さんが身近なこととして行動に移す時が来たと考えます。